2018年11月アーカイブ

怒りは消える

家の掃除は、夕食後に家族全員で一気にやります。

食器などの片付け
トイレやお風呂のお掃除
雑巾がけと掃除機がけ
などなど・・・

結構いろいろすることがあって、だいたい1時間弱かかります。

紆余曲折あり、アドラー心理学の育児で習った『家族会議』で決めたシステムです。
ペナルティも決めています。

家族全員で後片付けと掃除をしてくれることが、肉体的にも精神的にも、どれ程私を支えてくれているかは筆舌に尽くせません。

でも・・・そんなに恵まれた環境でも、不満が出てくるんですね。

2日前のこと、マイペースに、ほとんど遊びながら、自分の好きな仕事ばかりする長男に我慢できなくなりました。

思わず、声を荒げて、

「それ(針金でハンガーラックにバリケードを張っている)掃除?!遊んでるよね?!」「みんなが一生懸命やってんのに、何で真剣にできないの?!それ以上やったらペナルティにすんで!!」

と怒ってしまいました。

適切な側面は沢山ある
・・・そもそも、掃除をしようとしていること自体とても適切・・・
なのに、どうしてこんなに腹が立つのか・・・

冷静に自分を見つめる・・・

ふと、
あぁ、私はいつもこんな風に『一生懸命がんばって』きたんだ・・・
と、気がついたのです。

能力のない私は、人よりいっつも頑張ってたんだ・・・。

わき目もふらず、一心不乱に、やるべきと思うことをやってきたんだ・・・。

不器用でバカだから、遊びながらとか、他のことをしながらとか、そういうことが出来なかったんだ!

今もそうだ。
アドラーやる!って決めたら、アドラーだけになった。
仕事やる!って決めたら、仕事だけになった。
いつだって、一つのことしか出来やしない・・・!!
ハッキリ言ってしまうと、能力が低いのだ!!!
それに比べて、おそらく長男は私よりも賢くて、人生もうまくやっていけるんだろう・・・

そんな風に考え付いて、ふと怒りの感情が消えている自分に気がつきました。

不器用な私、お疲れさま!!
もういいよ。
もう怒らなくても大丈夫。
そんなに頑張らなくても、皆と楽しく掃除しよう。
独りぼっちじゃないだけ、どんなに幸せか思い出そう。
遊びながら出来るのは素敵なことだ。
逆に、不器用で一つのことを一生懸命やりぬくのも素敵なことだ。
個性の違う人間同士が、こうやって協力して生きているんだ。

そんな風に思えるようになった今日この頃。

一つ一つの出来事を、冷静に見つめることができるようになって、人生が変わりはじめました。

それは、紛れもなく、アドラー心理学の力だし、チベット仏教の瞑想の力も大きいと思います。

そして、不器用でひたむきな、自分自身の努力の賜物でもあると思いました。

昔は、謙遜がいいことだと思って、
「私なんて・・・」って思って生きていたけれど、
最近、ようやく、
「みんな誰でも、その人にとってベストと思われることをやっているんだよね」
と思えるようになりました。

私自身も一生懸命生きてきたし、きっと他の人たちも、みんな一生懸命生きているんだよね・・・と。

その方法は全く違うし、もちろん考え方もみんな違う。

でも、人はみんな、懸命に生きている。


そう思うと不思議と泣けてくるような気持ちになりました。


【おしるこ 2018年9月】