4月から高3になる次男がなぜか最近勉強している。
先日、次男が『物理』の演習問題を解いている時に、偶然長男が帰ってきた。
これ幸いと次男は長男に質問を始めた。
わたしはその様子を見聞きしながら、微笑ましいなあとか思っていた。
二人は当分の間、そうやって時を過ごしていた。
一区切りついたのか、次男が突然言い出した。
「物理や数学なんて何の役に立つっていうんだ!こんなの机上の理論だろお!」と。
するとそれを耳にした長男がサラッとシレッと応えた。
「そう思うなら高校を卒業したら働けばいいだけだよ。」
瞬間、次男は黙った。
わたしはというと、ビックリした。
わたしも同じことを思っていた。お勉強が嫌いなら無理に進学なんてしなくてもよいし、働くことをお勧めしたいと思う。けれど、わたしが言うと、角が立つ。本当のことだけど、上手く伝えられない。なのに、長男ときたら、あまりにもサラッとシレッと言っちゃうんだもの。オイオイ!
場の空気は悪くなってはいなかった。ピリピリした緊張感もなかった。
本当はわたしの出る幕ではなかった。
でも・・・。
難しい課題に取り組んでいる時って、愚痴りたいよね、毒を吐きたいよね。それをエネルギーにでもしなきゃ、やってられないよね。その気持ちすごくわかる。わたしだって、文句言いながらじゃなきゃできないこといっぱいあるし・・・。次男が可哀そうになってきた。
そして、余計なことをした。
「チョット、愚痴ってみたかっただけだよね?でも、本当にそう思っているなら、きちんと考えたほうがいいと思うよ。」
その後、どうなったのか覚えていない。ということは、何も起こらなかったのだと思う。
きっと、わたしが余計なことをしなくても、何も起こらなかったのだと思う。
ふと思った。岡敬だったらこのわたしの出来事になんて言うんだろう?
「ケイちゃん、次はどうしようと思う?(笑)」って声が聞こえてきそうだ。
<つづき>
長女にこの話をしたら、
「それって課題シート案件でしょ!
自助グループに行ってあーでもないこーでもないって点検するんだろうな?
それで、最後『やさしくきっぱり』って話になって、チャンチャンってとこかな?」と。
サラッとシレっと言われた。
wuuuuuu・・・・。
田崎景子【2021年4月】