2012年11月アーカイブ

浜松総会参加録

10月19日(金)~21日(日)の日程で浜松で開催された第29回日本アドラー心理学会総会に参加致しました。 

私は、アドラー心理学を学び始めてから10年以上経ちますが、総会に参加するのは今回が初めてでした。総会に参加しても難しすぎてついていけないのではないかと不安だったからです。しかし、今学会が大変な状態だということを『アドレリアン』などで知り、自分にできることをしなければ!と思い、何はともあれ総会に参加することにしました。

実際に参加してみて、確かに研究発表を全部理解することは難しかったのですが、日本のアドラー心理学の最前線の研究が何をテーマに、どんな方法で、何を明らかにさせようとしているのか、ということに生で触れたことは、とてもエキサイティングで貴重な体験でした。


シンポジウムでは、「学会を存続させるために、私達1人1人に何ができるか」という大きなテーマについて、壇上の役員の方だけではなく、フロアの学会員全員で考え話し合ったことが印象に残りました。「自助グループの運営の仕方はもっと研究の余地があると思います。自助の問題点は、新しい方が入りにくいことです。Adler Net やmixを上手に使うことは効果的だと思います」「自分1人で全部やろうとしない。例えばExcel苦手なら得意な人の助けを借りる。自分の仕事を手伝ってくれるお友達を作って巻き込みなさい」などの野田先生のお話が印象に残りました。

「私にできることをしよう」という決意と、「全部私がしなくてはならない」という思いこみは別のものなんだ、私はできないことはできないと言っていいし、人の助けを借りることは無責任なことではないんだ、と思いました。

また、澤田理事が、理事を引き受けることについて、「苦しく辛いわけではないので安心して下さいね。役目が来たのは、名誉なことです」ときっぱり断言されていて、その姿勢と言葉に深い感銘を受けました。


2日目の夜に、自主研究グループでともしびの会サロンが設定されていたので、そちらに参加しました。サロンの最初に、司会の中井さんが「なぜ今日このサロンに参加しようと思ったのですか?」と全員に問いかけて下さったので、アドラー心理学のともしびを後世に伝えよう、という志で結成されたともしびの会の午前中の座談会を拝見して素敵だなと思い、岩手でアドラー心理学を広めるためのヒントが頂けたらと思って参加した旨を発言しました。

サロンはとても穏やかで、皆が楽しくおしゃべりしながら、ゆったりと時間が流れました。どんな風に自助を運営していけばいいのか、どんなイベントを企画し、それをどういうルートで宣伝すれば本当にアドラー心理学を必要としている方に情報が届くのか、など、色々なヒントをいただけました。また、「アドラーやっている人はついつい『私にできることは何だろう?』と考えるけど、他の人に助けてもらうって大事なことだと思うよ」という柿内さんの言葉が印象に残りました。


3日間はあっという間に過ぎました。初めて総会に参加して、得られたものはアドラー心理学を後世に伝えるぞ、という熱いともしびでした。岩手の仲間と協力しながら、私にできることをこつこつ地道に実行していきます。3日間、本当にありがとうございました。


【北村 江奈 2012年11月9日】