大竹優子先生、中井亜由美先生、学びの期間が浅い私に、養成講座を受けさせていただける素晴らしい機会を下さり、また8日間のご指導いただき本当にありがとうございました。文字には書ききれない本当にたくさんの体験をさせていただきました。
アドラーギルドの吉田伸さま、期間中は学ぶ場を整えてくださり本当にありがとうございました。おかげさまで快適に集中して講座を受けさせていただくことができました。
一緒に学んで下さった受講者の皆さまと見学の皆さま、ありがとうございました。たくさんの勇気づけをいただき、夜遅くまで共に過ごした時間を含め、皆様とかけがえのない8日間を過ごすことができ、感謝以外の言葉が出てきません。
養成講座が始まるまで、アドラーを学びはじめ、勝ち負けのない協力的な所属が大切だと腹落ちし、普段の生活で少しでも実践していた「つもり」でした。数年前と比べても個人的には争いや感情的な場面が極端に減り、おおむね穏やかな暮らしをしている「つもり」でした。しかし、養成講座に参加させていただき、そのような暮らしは「入口」に入った程度だということに気づくこととなりました。
養成講座前半では、私がカウンセラー役でクライエントさんからエピソードを聞いた際に、クライエントに学んでほしいことは何かを見据えることがなかなかできない状態でした。これは私自身の普段の協力的な暮らしの実践がまだまだ浸透しておらず、アドラーの星がなかなか見えなかったのだろうと思います。講座が進むにつれて、日に日に自分の血が入れ替わるくらいのインパクトが私にはありました。自身の競合的な面と向き合い、「ああ、まだまだだな...」と感じることも多々あり、消耗して少しきつく感じることもありましたが、一方で「まだまだだ」と気付けたことに喜びも感じておりました。
前半が終わり、大竹先生が「後半が始まるまでは、それぞれの課題をやってきてください。エピソード分析の手順を見直すもよし、パセージを読み直すもよし。」とおっしゃった時、少し力の抜けた救われた思いがありました。たくさんの優秀な同期の方と不勉強な自分を比べている競合的な自分があったのだと思います。それぞれの人がそれぞれの課題に向かって協力的に過ごしている感覚をもち、「人と比べる」という無意味なことではない部分で、この大切な時間を過ごし学ぶことができるのだと感じました。
前半の4日が終わり、後半が始まるまで、野田俊作先生が著されたカウンセリングに関する「論文」や、何度も読んでいたはずの「パセージ」を改めて読み直してみました。すると、養成講座が始まる前のそれとは文字一つ一つがまったく別の文章に感じました。最終日前には「勇気づけの歌」も読んでみて同じ現象が起こっていることに気づきました。これには本当に驚きました。新しい眼鏡をかけたのか、かけていた眼鏡をはずしたのか...。それだけではなく、「家族」や「職場」まで変容して見えてしまいました。以前よりも増して、周囲の人の「よい意図」が洪水のように私の目の前に現れ出しました。「ああ、この世界を見て僕は一体これまでどんな不満を感じ、競合的に関わっていたのだろう...」と自分が恥ずかしくなりました。これまでの自分は何だったのか。アドラー心理学を学びだして、私に何度もそのような体験をさせてくれます。その中でも、この養成講座は私にとって一番強力な効果があったと感じています。このような体験はこれからもあるのでしょう...。
技術的なことで、今回特に感じたことは、エピソード分析のシンプルさと強力さです。手順を習い、大まかな理解はしていましたが、その一つ一つには明確な目的があり、そこを常にしっかりと意識する必要があります。クライエントさんに何を学んで貰いたいかという想いを持ちながら、協力的な目標で丁寧にカウンセリングを進めていかないと、とんでもないことになるのだということも体験しました。大竹先生は切れ味の良い包丁に例えておられましたが本当にそうだと思いました。
講座の中でアドラーの星に到達したクライエントさんを何度も拝見しましたが、その世界は温かいものに包まれていました。クライエントさんが本来持っている協力的な面を信じてかかわるカウンセラーさんの暖かい尊敬と信頼の賜だと感じました。合格された方は無駄のない(クライエントさんに負担のない)美しいカウンセリングをされていたなあと、本当にいいものを見せていただけました。
今後については、日常の実践や練習量がまだまだ足らないことを感じましたので、練習できる場に少しでもたくさん参加させていただき、場数を踏みたいと思います。すべてはお稽古事だと身に染みて体験いたしました。
私はまだアドラー心理学のユーザーの立場です。少しでも早く「包丁、つかっていいよ」と認定をいただき、プロバイダーになることで、世のため、人のために少しでもお役に立てられるようにこれからも研鑽してまいります。今回の養成講座を通じてアドラー心理学の理論以外に幸せになる術はないと確信しました。
ここまで、たくさんのことを学ばせてくださり、導いて下さった、京都アドラーの方をはじめ全ての方に感謝の気持ちが溢れております。これからも学び続けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。未熟な私があの講座の席に座らせていただいたこと、とても大きな糧となりました。このご恩は、この世に必ず返していきたいと思っています。
最後に、「カウンセラー養成講座」はハードですが強烈で素敵な体験ができます。一人でもたくさんの方が体験されることを願っています。
ありがとうございました。
【田中明善 2020年8月】