2013年3月29日アーカイブ

心豊かな発達のために

函館近くの七飯町、はるこどもクリニックでの子育て講座のびのび「心豊かな発達のために」。私の担当だ。


毎年の恒例になってきた。テーマは同じだし、結論も同じだが、少し切り口を変える。基本はアドラー心理学の考え方だ。

まず、人生における3つの課題~仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスクを説明する。いつでも課題はやってくる。人生は大波小波の連続で、楽をして生きることはできない。波を乗り越える力をつけることが必要だ。

人は社会的な存在なので、他者と関わりも持った時に前向きに生きる力が生まれる。他者との関わりは、受け身ではなく、人の役に立とうとする能動的ものである必要がある。

どうしたら、前向きに波を乗り越えていける力をつけることができるのか?「自分を好きになること」「人を好きになること」「仕事を好きになること」この3つを考える。

自分を好きになるためには、自分のパーソナルストレングス(力や能力)を考え、どうすれば自分の持っている力を人の役に立てることができるのかを考える。自分に何が与えられているのかではなく、与えられているものをどう使うのかを考えること。

人を好きになるためには、まず他者は自分の思い通りにならないことを知る。だからこわいのか?ではなく、だからこそ面白いのだということを知る。そのためには、ぶつかり合う経験が大切。

仕事を好きになるためには、小さい時から人の役に立つ経験をたくさん積み上げていくこと。

具体的には、「ともに遊び、ともに働き、ともに話し合う」。

まずは楽しいことから:一人で遊ぶのではなく、他者(まずは親)とともにたくさん遊ぶこと、そして、他者(まずは親)とともにたくさん働くこと。(今の子どもたちの不幸の一つは、家庭電化によって家の仕事から解放されていること)それによって関わることの楽しさ、豊かさを経験する。そして話し合うこと。言葉に出して表現し、議論することを通じて、「話せばわかる」という経験を積むこと。

以上が、心豊かな発達を支えていくのだというお話をした。


【高柳 滋治 2013年2月28日】