2017年3月アーカイブ

チッチ子ども会議

チッチでは3歳児と2歳児を少人数制で保育をしています。

チッチの保護者はパセージを受けて下さっており、家でも「家族会議」をされています。
昨年から試しに「チッチ子ども会議」をしています。

どれだけできるのか?お試しです。

昨年クリスマス会の劇の「大きなかぶ」の劇の配役をみんなで決めました。

山口ではない先生にお願いしました。

先生「みんな家族会議って知ってる?」

子ども「お父さんがソファですぐ寝るからどうしたらいいか話すること。」
(注)パセージの課題シートで子どもがパパの真似をして困るというのが出ていました(笑)
先生「(笑) あ~よく知っているね」がスタートで話し合いました。

みんな手を挙げてしっかり意見を言ってくれました。

チッチの保育では3月3日お雛祭りは、滋賀里にあるグループホームへみんなでいきます。
高齢者の方々と一年を通して交流しているいる一環です。

今日は「お雛祭りにおばあちゃんの所に行くけれどどんな事をしたら、おばあちゃん喜んでくれるかな? みんなでお話してもいいかな?」でスタートしました。

子どもが「はい!」と手を挙げてくれました。

Aちゃん「みんなでお歌を歌うといいと思います。」

先生「はい、ありがとうございます。Aちゃんはお歌を歌うといいと思うそうです。
ほかにはありますか?」

Bちゃん「家にお雛様の本があるから読むといいと思います。」

等々いっぱいお話が出ました。

4歳になっている子どもはしっかり意見を伝えてくれます。

3歳の子どもも家で家族会議をされているので、しっかり手を挙げてくれますが、
内容はよくわからないこともありますが、先生はしっかりと話を聴きます(笑)

イハイと沢山手が上がった時は、一人を指名し、他のお友達には待ってもらいます。

今はみんなしっかり待てるようにもなりました。

こうして話し合える様になった事をみんなで喜んでいます。

チッチの最近の報告です。

【NPOチッチ代表 山口育子(滋賀)】

アドラー心理学の普及に関して

書籍『嫌われる勇気』がベストセラーになり、「アドラー心理学」の名前が日本中に知れ渡るようになりました。この波に乗らんかなとばかり「アドラー」と名がつけば、なんでもアリというような風潮も見られるようになり、「アドラー家計簿」「アドラーダイエット」「アドラーおかたづけ」など、もう目を覆いたくなるような本も見かけられます。


自助グループにお見えになる方で最初のアドラー心理学との出会いが書籍の『嫌われる勇気』という方々がおられます。本を読んだあと、インターネットで探し回って(それこそたくさん調べたそうです)学会ホームページに辿りついたり、自助グループを見つけてお見えになられました。その後も熱心に自助グループに参加なさるみなさんに共通しているのは「あたたかいものを感じた」「うそがない」「地味だけれどしっかりやってそう」と仰る方が多いように思います。一方で、その後はパッタリという方々もおられます。パッタリ系のみなさんは、パセージ(*)中に貧乏ゆすりをされたり(笑)、「リーダーがこたえを言わない」とイライラされたり「声かけより親側の構え」なんて話がでると、イヤーな顔をされたりなさっていました。


健康法やダイエットでも「これさえやれば」のようなものが流行ったり、二番煎じが出てきては消えの繰り返しの世の中ですが、ここ数年はアドラー心理学がそんな扱いをされていたのかなと思います。自分が楽になるために課題を分離したままにするとか、個人の主体性で(周りへの影響を考えずに)なんでも決めちゃってもいいんだー、そういう心理学あるんだー等と、とても安易にうわべだけの情報を持ち帰り、自分の解釈で実践し、失敗してしまって、別の心理学に飛びつくというのが現在の状況のように思います。


私は、本当にどうしようもなく動物的で競合的なので、アドラー心理学に出会って、マシな人間になるための歩みが始まったと思っています。その歩みは、1人ではないので、こわくないし、楽しいです。一方で仲間と折り合い擦り合う場面も多くあるので、話を聴いたり、妥協案を考えたり、お伝えのしかたを工夫したり、とパセージや講座のテキストを書き写したり、読み返しながら、アドラー心理学の実践を頑張っています。歩みの先には、素晴らしい先輩がおられるので、困った時は下を向かずに、前方の先輩の背中を見て真似たり、懐に飛び込んで直接ご指導いただいています。


健康だって、これさえやればの特効薬はなく、コツコツとした毎日の積み重ねで手に入れることができます。一度、健康について真っ向から向き合った人はそれがわかると思います。アドラー心理学についても同じで、本当に親子関係をなんとかしたい、人々と幸せに暮らしたいと、人生の諸問題に真剣に向き合ってきた人が、アドラー心理学に触れたとき、アドラー心理学の素晴らしさ、実践することの辛さも楽しさもわかるのだと思います。


ですから、正しいアドラー心理学を伝承していくためには、アドラー心理学を触れる(さわれる)場所があること=自助グループが全国各地にあることしかないと思います。そしてその場所で、メンバーが真剣に悩み、考え、意見交換しながら、みんなで成長しあうことを一緒に体験し、その体験をそれぞれの現場に持ち帰り、実践して、いい相互作用が生まれる、そんな場所を1つでも多く増やしていくことかなと思います。


ここ数年で、リーダー養成講座では私を含めて、毎年パセージリーダーが誕生しています。パセージを開いて、自助グループができて、アドラー心理学の伝承する基地局を仲間と一緒に育てながら、私ができることをしていきたいと思います。


もし、「アドラー心理学」ってどんな心理学なの?と興味をもたれた方、本やテレビ、講義からアドラー心理学を知った方は、生の学習グループにおいてください。現場で共に学んでいただけますと、アドラー心理学を「実践する」ことのあたたかさや楽しさをおわかりいただけると思います。健康の素晴らしさが本でわかっても、自分が健康でなければ意味がありません。コツコツと体を動かすことから健康への第一歩が始まります。自助グループはそんな場所です。みなさんと共にコツコツと学んで、アドラー心理学を実践していけたら嬉しいです。ご興味のある方、ぜひお待ちしております。


*パセージ=アドラー心理学にもとづく育児学習プログラム


【岡山恵実  2017年2月28日】