2019年1月26日アーカイブ

12月6日定例会


12月6日にAdlerjala定例会を開きました。
参加してくださったのは、大人2名と、1歳の子どもさん1名でした。
みなさまどうもありがとうございました

今回は初めての方が来てくださいました。
でも実は、今回ご一緒したみなさまとは、とある関係で
子どもさんのことをお互いによく知っているので、
初めましてというより、お久しぶりという感じでした。
パセージでもアドラー心理学の臨床でも、エピソードを中心にしてお話を聞いていくのが基本ですが、
今回は例外的にエピソードを扱わず、
初めて参加の方からのご質問に対して、パセージテキストを読み合わせしながら、
アドラー心理学の育児についてご紹介するという内容になりました。


前回の定例会の後、どうでしたか?と、前回事例提供をしてくださったメンバーさんにお聞きすると、
前回のエピソードをお話ししてくださって、
感情が私を動かしているんじゃなくて、私が感情もコントロールできるんだということが印象的でした、
と言っていただき、とても嬉しかったです。


アドラー心理学育児の、ほめない、叱らない、勇気づける育児って、どういうことなんだろう?
叱らずに、ほめずに、どうやって必要なことを学んでもらえるんだろう?
という本質的なご質問をいただいたので、
まず「アドラー保育の歌」をみんなで歌いました。
「アドラー保育の歌」と「アドラー育児の歌」は、
アドラー心理学の育児の心構えがわかりやすくまとまっています。
(ただ、わかりやすすぎて、当たり前といえば当たり前とも思えてしまうので、
 パセージテキストと併用するのが良いように思います。)


♪アドラー保育のうた♪

  まず感情をおちつけて よい関係を保ちましょう
  いけないところは気にせずに できたところはよろこぼう

  いけないこととすべきこと 理由をちゃんと説明し
  わかってもらって選ばせて その他は自由にまかせよう

  言葉を使って予測をし 体験通じて学ばせて
  世界の仕組みを知るように かしこい子どもを育てよう

  いつでも居場所があるように 人は仲間と思うよう
  自分を信頼できるよう 勇気づけつつ育てよう

                                        作/野田俊作


それから、パセージテキストを読み合わせしながら、話し合いました。
ときどき「アドラー保育の歌」も参照しました。「アドラー育児の歌」も歌いました。
1L「子育ての二種類の目標」
7L「罰の好ましくない副作用」1「罰は負の注目になる」
8L「賞の望ましくない効果」1~5
8R「賞と勇気づけはどこが違うの?」
25L「人間は感情の奴隷ではない」1~3
13L「子どもの課題と親の課題」1~2
13R「子どもはなにを学ぶか」


「この言葉がけは賞になっていないかな?勇気づけになっているのかな?と、
 気になることがあったのですが、大事なのは言葉そのものじゃないんですね!」
とメンバーさんが言ってくださって、
本質的なことに気づいていただけたのだなあと、嬉しい限りでした。
子どもさんによって、時と場合によって、何が勇気づけになるかは違うと思います。
でも、勇気づけの姿勢といいますか、こちらの構えはひとつです。
子育ての目標も、変わりません。
アドラー心理学の育児では、
勇気づけの構えで、子育ての目標に向かって、
そのときそのときの子どもさんとのやり取りの中で、具体的な対応を工夫していきます。

こんなときはどう言えばいいのか?どうすればいいのか?という、万能薬はありません。
でも、こんな状況をどのように理解して、どのような方針を立てればよいのか?という、
解決策を導く方程式はあります。
その前提にあるのが、子どもも大人と同じ、対等で平等な一人の人間だという考え方だと思います。
だから、子どもの問題は子どもに解決してもらえるように、
私たちは何がお手伝いできるかな?と考えていくのです。
アドラー心理学の育児では、
子どもが小さいうちは、子どもの問題について一緒に考えて、話し合っていくことがおすすめです。
子どもが10歳を過ぎると、子どもの問題は子どもに完全にお任せして、
何かあったときに相談してもらえるような関係を保っておくことがおすすめです。
(話し合うためには細かい手順や条件もありますので、パセージで段階的に学んでいきます。)


人間観、感情についての考え方、賞罰の弊害など、
初めての方には、新しいことばかりでびっくりだったことと思います。
ですが、「初めて聞いたことばかりだったから、やってみないとわからないと思うので、まずは子どもたちと話し合ってみます!」
と、初めて参加のメンバーさんが力強く言ってくださって、とても嬉しかったです。
これから子どもさんたちがどんな反応をしてくれるのかな、と、私もとても楽しみです。

たくさんの学びをありがとうございました。
今回もKくんはお話し合いの間は静かに過ごしてくれて、
一緒に歌を歌ってくれたり、お母さんの読み合わせを手伝ってくれました。
みなさまご協力ありがとうございました


初めてのことをやってみる、初めての場所に飛び込んでみる、
それはとても勇気のいることだと思います。
特に、世間的によく知られている子育て本の常識とはまったく異なる考え方の、
マイナーなアドラー心理学の世界に足を踏み入れるのは、戸惑いがあって当然と思います。
そういう迷いなどを超えて、私のところへ来てくださるみなさまがいらっしゃること、
ほんとうにありがたく思っております。
私自身まだまだ未熟なのですが、縁あってアドラーを通じて出会えたみなさまと、
ご一緒に学び、みなさまがみなさまのご家族とよりよい関係を作っていけるように努めます。


【松村美穂(鳥取) 2018年12月】