2020年8月アーカイブ


8月2日〜3日、日本アドラー心理学会認定心理療法士の中井亜由美さんを流山にお招きしてカウンセリングの講習会を開催いたしました。
こんな状況の中、流山までお越しいただいた中井さんに心から感謝しております。また、感染症対策に協力してくれ、一緒に切磋琢磨した関東の仲間にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

野田先生がエピソード分析を開発してくださったおかげで、仲間内でもカウンセリングの勉強会ができるようになってきました。エピソード分析という共通の手がかりをもとに、場数を踏むことができたり、みんなで一緒に振り返ったりすることができるので、カウンセリングについても一緒に成長することができるようになってきたと思います。

しかし、同じメンバーで練習していると、グループの癖や、見落としてしまうことが出てくると思います。個人の場合と同じで、そういうことって、自分達ではなかなか気がつく事ができません。

練成講座や秘訣講座に、そういう意識も持って参加すると、自分たちの癖や偏りに気がつくことができます。それを仲間にシェアすることで、癖や偏りに気がつき、それらへの対処方法を学び合うことができます。一緒の道場で学び合っている仲間のうちの何人かが、お師匠様の所に学びに行って、自分たちの道場に戻って学んできたことをシェアするようなイメージですね。

私たちは治療共同体の中に組み込まれているので、これは健全な学び方だと思いますし、素敵な学び方だと思います。これからも続けていきたいと思います。しかし、シェアを受けるメンバーは同じ場を共有してないので、その時の文脈や雰囲気を伝えることが難しいと感じることが私にはあります。個人情報の保護もありますしね。

そこで、お師匠様の道場で学んでいる兄弟子に、「私たちの道場までお越しいただいて、ご指導いただけたませんか?」と、なんとも厚かましいお願いをさせていただきました。ご快諾くださった中井さんに心から感謝しております。

地方区でも講座をお願いする機会はありますが、その時には地方区全体のことを考えなければなりません。今回は目的と対象をかなり絞った講習会だったので、ご理解いただけて、ご協力いただけたことを大変ありがたく思っております。

学んだことは、本当にたくさんあります。
最初に思うのは、カウンセリングは「お稽古事」だということです。カウンセリングについての知識やコツをいくら知っていても、それが現場でできなければ意味がありません。目的を持って、必要な文脈で、必要なことができないといけません。

まぁ、こんなことは「その場面が試合の中でどういう状況か理解して、この打席では何が必要なのかをしっかり把握した上で、ピッチャーが投げたボールを良くみて、バットを力強く振って、芯に当てればいいんだよ」という類の話で、それができるためには日々のお稽古が必要です。

練習すると、毎回劣等感を感じますね。悔しいですが、私はカウセリングが下手くそです。私の前にはこの劣等感を建設的に補償する道と、非建設的に補償する道とがあります。そして、クライアントさんのお役に立つには、成長し続けなければなりませんし、成長し続けたいと私は思います。なので私は、建設的に補償する道を選びます。非建設的に補償する道は、選択できない可能性の箱に入れちゃいます。選択できると思っていると、余計なことに頭を使っちゃいますからね。エネルギーは効率的に使おうと思います。


【村上 透(神奈川) 2020年8月】