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アドラー心理学の普及に関して

書籍『嫌われる勇気』がベストセラーになり、「アドラー心理学」の名前が日本中に知れ渡るようになりました。この波に乗らんかなとばかり「アドラー」と名がつけば、なんでもアリというような風潮も見られるようになり、「アドラー家計簿」「アドラーダイエット」「アドラーおかたづけ」など、もう目を覆いたくなるような本も見かけられます。


自助グループにお見えになる方で最初のアドラー心理学との出会いが書籍の『嫌われる勇気』という方々がおられます。本を読んだあと、インターネットで探し回って(それこそたくさん調べたそうです)学会ホームページに辿りついたり、自助グループを見つけてお見えになられました。その後も熱心に自助グループに参加なさるみなさんに共通しているのは「あたたかいものを感じた」「うそがない」「地味だけれどしっかりやってそう」と仰る方が多いように思います。一方で、その後はパッタリという方々もおられます。パッタリ系のみなさんは、パセージ(*)中に貧乏ゆすりをされたり(笑)、「リーダーがこたえを言わない」とイライラされたり「声かけより親側の構え」なんて話がでると、イヤーな顔をされたりなさっていました。


健康法やダイエットでも「これさえやれば」のようなものが流行ったり、二番煎じが出てきては消えの繰り返しの世の中ですが、ここ数年はアドラー心理学がそんな扱いをされていたのかなと思います。自分が楽になるために課題を分離したままにするとか、個人の主体性で(周りへの影響を考えずに)なんでも決めちゃってもいいんだー、そういう心理学あるんだー等と、とても安易にうわべだけの情報を持ち帰り、自分の解釈で実践し、失敗してしまって、別の心理学に飛びつくというのが現在の状況のように思います。


私は、本当にどうしようもなく動物的で競合的なので、アドラー心理学に出会って、マシな人間になるための歩みが始まったと思っています。その歩みは、1人ではないので、こわくないし、楽しいです。一方で仲間と折り合い擦り合う場面も多くあるので、話を聴いたり、妥協案を考えたり、お伝えのしかたを工夫したり、とパセージや講座のテキストを書き写したり、読み返しながら、アドラー心理学の実践を頑張っています。歩みの先には、素晴らしい先輩がおられるので、困った時は下を向かずに、前方の先輩の背中を見て真似たり、懐に飛び込んで直接ご指導いただいています。


健康だって、これさえやればの特効薬はなく、コツコツとした毎日の積み重ねで手に入れることができます。一度、健康について真っ向から向き合った人はそれがわかると思います。アドラー心理学についても同じで、本当に親子関係をなんとかしたい、人々と幸せに暮らしたいと、人生の諸問題に真剣に向き合ってきた人が、アドラー心理学に触れたとき、アドラー心理学の素晴らしさ、実践することの辛さも楽しさもわかるのだと思います。


ですから、正しいアドラー心理学を伝承していくためには、アドラー心理学を触れる(さわれる)場所があること=自助グループが全国各地にあることしかないと思います。そしてその場所で、メンバーが真剣に悩み、考え、意見交換しながら、みんなで成長しあうことを一緒に体験し、その体験をそれぞれの現場に持ち帰り、実践して、いい相互作用が生まれる、そんな場所を1つでも多く増やしていくことかなと思います。


ここ数年で、リーダー養成講座では私を含めて、毎年パセージリーダーが誕生しています。パセージを開いて、自助グループができて、アドラー心理学の伝承する基地局を仲間と一緒に育てながら、私ができることをしていきたいと思います。


もし、「アドラー心理学」ってどんな心理学なの?と興味をもたれた方、本やテレビ、講義からアドラー心理学を知った方は、生の学習グループにおいてください。現場で共に学んでいただけますと、アドラー心理学を「実践する」ことのあたたかさや楽しさをおわかりいただけると思います。健康の素晴らしさが本でわかっても、自分が健康でなければ意味がありません。コツコツと体を動かすことから健康への第一歩が始まります。自助グループはそんな場所です。みなさんと共にコツコツと学んで、アドラー心理学を実践していけたら嬉しいです。ご興味のある方、ぜひお待ちしております。


*パセージ=アドラー心理学にもとづく育児学習プログラム


【岡山恵実  2017年2月28日】

新しい風

昨年の12月に、埼玉からアドラー@流山に来てくださったiknさんが、彼女のブログに感想を書いておられるのを見つけました。彼女は、一昨年、文京区でMさんとのツインリーダーパセージをしたときのメンバーさんです。彼女は、パセージ後も同期のお仲間とMリーダーとともに、おさらい会を続けておられます。また、野田先生の特殊講義と演習や、横浜での基礎講座応用編にも参加しておられました。そうそう、イヴォンヌ先生のワークに参加するために昨年夏に東京で始めた、英語でアドラーを学ぶ勉強会のメンバーさんでもあります(この会は、いまもなお、ひっそり楽しく続いているのでした。この会のことも、また書きたいと思います。。)。

この春、第二子の誕生で、お忙しくて、半年近くのご無沙汰でしたので、ブログでお元気な様子がうかがえて、とてもとても嬉しかったです。

流山の会は、メンバーの多くが地元の方ですが、他地域から訪問していただけると、わたしたちにとって、グループに新しい風が吹くので、とてもありがたいです。仲間の交流を拡げることができますし、他地域で学ぶ方のご意見によってわたしたちの学びを点検することもできます。いいことずくめで、とても助かります


iknさんの記事を、転載させていただけることになりました。

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 昨年パセージでリーダーをしてくださった方が毎月参加されているフォローの会に先日参加してきました。その場所は「遠い!」というイメージでしたが、なんと電車移動だと30分くらい。近かった。都内も2・30分くらいあれば出られるので遠くないのですが、乗り換えが一回で一駅というのがまた楽ちんでした。

 施設の近くに大きい公園もあると聞いていたので、家族三人でお出かけ。こざるくんは、一緒にやるぞーという感じでにこにこだったのですが、時間も近づき「お母さんお勉強してくるねー」と言ったとたんに大泣き。後ろ髪ひかれる思いのままバイバイしたのでした。後から来られた当日参加したメンバーさん3・4人の方が、道路に伏しながら泣く子どもとそれを穏やかに見守るお父さん(うちの夫のこと)を目撃したとかで...、夫のことをなかなか怒らずにそうやって待つことは出来るものじゃないと言っていただきました。(その後何とか泣き止んで公園へ行き、トーテンポールこわいとか言ったり遊具で遊んだりして地元へ戻り昼食をとって帰って無事昼寝したそうです、よかった。)

 私の今秋はまさにアドラー!って感じの日々が過ぎているのですが、やっぱり実際に仲間とあって事例を目と耳と体で聴くというのが本当に大事だなーとそのたびに思います。 「こんな場合はどうするんですか?」というスピーチ(いつも...なんです、とか)ではなく、ある時ある場面の状況を取り上げて考えていく(エピソード)でないとその人にとってその時ベターな解答なんて出てこないしわからないんです。アドラー育児は甘やかしではないのか?という話が出る機会が最近多かったのですが、確かにアドラーを実践されて、実際に親子関係が以前より改善されて良くなった状態での対応を見たら甘やかしに見えるのかもしれないなー。だけど、本当にその当事者の方が大変で悩んで苦労したのはその過程であって、そういった努力があってこその「いま」だからアドラーは決して甘やかしではなく、かえって厳しいものだと私は思っています。

 どんな時も、関係性という基礎や土台があってこその技術なんです。同じやり方でも受け取り方が違うのは「関係性」という土台によるもの。 こうやって学んでいても、もちろん日々の生活は毎日やってくるわけで、そうすると困った事に直面!なんてこともしばしば。そうすると目の前の困ったことに目がいってしまい、実際、大切な「関係性」という部分が抜けがちになったりします。だけど、まず礎をしっかり築いていかないと、うまくいかなかったりもするんだと思いました。リーダーさん(今回の会ではメンバーさんという位置づけだけど)の応答を観察していると、本当にそこを重要視されての返事だなーと思うことがたくさんありました。

 そして、その「関係性」を築く前に、私は、やっぱり土足で相手のおうちにずかずかと入ってしまいがちで「関係性」を作るのがとっても苦手なんだなーと思いました。意識してやるとまたぎこちなかったりするんだよな、と思ったりしながらもそれを自然とやれるのはアドラーが目指すところの共同体感覚を忘れずにいることかなーとも。貢献は、自分の快のためにするものではない。たとえ自分が不快でも社会にとって相手にとって、これはどんなことか?と考えること。

 最近私のこころは荒れていて、その荒れ具合に自分でもへこんだりするのですが(一歩引いて自分を観察して頭では分かっているのに体ができない、また出てきた私のテーマ)今回の気づきが今の状態を少しでも打破できるきっかけになったらいいなと思います。

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スパルタ、過保護過干渉のこれまでの育児に気づき、アドラー育児に変えていくとき、試行錯誤のときが続きますが、いまどこにいるのか?パセージが提案する育児の目標(=自立して社会と調和して暮らしていけるという<行動面の目標>と、わたしは能力がある、人々は仲間だ、という信念を育てる(心理面での目標>) からの点検を、はしょらず(はしょる傾向ありです)、毎回毎回みんなで確認しようと、iknさんの記事を読んで気づきました。ありがとうございました。

【清野 雅子 2011年5月】

村上 淑さんからのメール

東日本大震後、早5週間が経過しましたが、まだ余震が続き原発の先行きも不安な状態が続いています。
仙台に住んでいらっしゃる村上 淑さんに応援メールを送ったところ、とても心温まる返信をいただきました。

淑さんがアドラーネットへの転載を快諾してくださったのでメールの一部をみなさんにもご紹介したいと思います。

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私の住んでいる所は、海から15kmの位置にあります。 
我が家から3km東にある名取市閖上は津波で壊滅しました。 
3km東にある東北自動車道東部道路は土を盛って作ってあったために堤防の役目を果たしてくれて、私達は被災を免れました。 
自宅の近くに店があるので、閖上に住んでいるお客様も沢山いらっしゃるのですが、怖くて電話をかけることもできません。

今日、25年来のお客様が息子さんと来てくださいました。
彼女は津波にあい、今も家族で避難所である体育館で暮らしているそうです。
ずっと気になっていたので、もう涙涙で・・・・
彼女は『家族と仕事があるから乗り越えられる』と言っていました。
私のほうが勇気を貰いました。

地震のときは仕事をしていたので、とても冷静でした。
パーマの方が二人いらして、パーマ薬液が付いていたので、
何とか最後まで仕上げなくては!と思い、揺れている間は玄関と裏口の戸を開け、
いつでも避難できるようにしながら周りを観察し、揺れが収まると髪をしていました。
私の担当していた方は17年来の男のお客様で、
「クッシュにはきゃあ~といってしがみついてくるような女の子は一人もいないんだね」
なんて笑いながら仕事をしてました。

慌てても仕方ないので、お客様にリラックスして貰う為にも、私達が冷静に笑っていなくては!と思っていました。
その時は停電にはなりましたが、周りのマンションも無事でしたし、
そんなに大事になるとは思っていませんでした。

その後店の後片付けをしながらワンセグを付けると、リアルタイムで仙台空港に津波が来ている映像を映していました。

震災から5週間が経ち、みんなに疲れが見えてきています。
身も心も疲れているときに私を支えてくれるのは、アドラー心理学の思想もさることながら、パセージやASMI,SWで出会った方々と共有した時の思い出とその時の感覚です。

自分の内側を見つめ、その感覚を思い出し、リセットしてから仕事をしています。
私に出来ることは本当に小さい事ですが、笑顔でお一人お一人丁寧に向かい合ってお話を聴かせて貰っています。

これからが、正念場だと思います。
どんな時もアドレリアンとして考え行動できる様でありたいと思っています。
日々修行です。

魔女修行の仲間として、見守っていてください。

昨日仙台は桜が満開でした。
どんな時も、季節はちゃんと廻ってくるんですね・・・
私の好きな言葉に
「明けない夜はない、止まない雨はない、日はまた昇る」
というのがあります。

今日もガムバリます。

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どんなに大変なときも、アドレリアンとして『今、私が人々のためにできること』をしていらっしゃる淑さんに感動し胸が熱くなりました。

福岡では先週の土曜日と日曜日に野田先生の講演会とオープンカウンセリングがありました。
アドラー心理学の教えの深さにあらためて感動しました。

永続可能な未来のために、アドラー心理学を実践し伝えていくことの大切さをひしひしと感じています。
この震災で学んだことを決して忘れてはいけないと思いました。

東日本の皆さんが心安らかに暮らせる日が一日も早く訪れますように、心からお祈り申し上げます。


【竹内 裕美 2011年4月20日】

自宅待機の副産物2

地震後、数日たって、今年、アドラーギルドの講座が西日本ばかりなのが腑に落ちました。
すごいな~、アドラーの神様ってば。


自宅待機が終了して今週から仕事に行った夫。


夫の愛車もガソリンがないので、今日から自転車で会社まで行きました。
いつもは休憩時間に車の中で一人で過ごすのですが、その車がないので、今日は会社の休憩場所で数人と過ごしたそうです。


そこで、ぷぷぷ(笑)
女性二人と話をしたそうです。ぷぷぷ(笑)


夫が「休憩時間に読むかな」と持っていったアドラー心理学入門を休憩所で読んでいたら、「何を読んでいるんですか?」と話しかけられたそうです。


夫:「いや~、何か読む本ない?って妻に聞いたら、これを貸してくれて...。」


な~んて感じで、独身の女性と、お子さんのいる女性にアドラー心理学の話をしたそうです。


夫:「会社も学校も封建時代と同じように子育てをしたり、人を支配しようとしている。子どもの反抗期というのは、本当はないんだよ。親が支配しようとするから子どもが反抗するのだから。云々...」


な~んてことを、読んだばかりのパセージのテキストを思い出して語ったそうです。


ぷぷぷ。


女性1:「うちの夫にも聞かせたいわ~。」
女性2:「だから、(心理学を勉強している)樋沢(夫)さんって、落ち着いているんですね~。」


夫:「って、言われた~(照)」


私の心の中は大爆笑!


女性にそう言われて嬉しかったのか、「もちょっと、アドラー心理学、勉強しよっ」って言ってました。

素敵なことだと思いますが、私はほどほどに(涼しく)聞いておきますわ。


【樋沢律子 2011年3月23日】