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子育てワークショップを終えて

先日、金沢で澤田裕子さんの子育てワークショップを開催しました。

アドラー心理学に初めて出会う子育て真っ最中のお母さんたちが8名、今までにパセージ、プチパ、応用編を受講された方が9名、計17名の方が参加してくださいました。何よりうれしかったのはすでにアドラー子育てを実践してくださっているメンバーさんから口コミなどで新しく8名の方が参加してくださったことです。さざ波のような広がりかもしれませんが、アドラーのともし火を受け取ってくださった方が次の方へと渡してくださったおかげと心から感謝しております。

さて今回はアドラー心理学の子育てに少しでも関心を持っていただきたいということで"勇気づけをはじめよう"ということをテーマにワークをしていただきました。そのワークは子どもだけでなく、まさに参加されたお母さん、お一人おひとりを勇気づけるワークだったと思います。

印象に残っていることを書いてみます。

1.最初に、
・アドラーの生きた時代背景からアドラーが子育てに主力を注いだ理由。
・アドラー心理学は、子どもへの対応は実は次の社会を作ることにつながる社会的にたいへん重要な、そして大切な使命だと考えている。
・だから私たち親はとても重要な仕事をしている。
というお話をされました。

ここで一気に、"我が子" の子育てから "社会の一員としての我が子" の子育てに視野が広がったように思いました。社会に組み込まれた存在として子どもを育てていこうというアドラー心理学の立ち位置で子育てをとらえると、子育ての価値に改めて気づくことができ、子育てをしている自分自身への誇りを感じることができるように思いました。

2.次に子育ての目標を話し合い、そこから自立、社会と調和というキーワードについて意見交換をしました。

自立については、子どもには自立を願うのに、親である自分自身は自立しているとは言えない、だから矛盾している、と思っておられる方がたくさんおられました。経済的に自立していない、一人ではなかなか決められない等々。社会と調和については、調和というのが具体的にどういうことなのかイメージしにくい、 あるいは人と調和して暮らそうとすると我慢して暮らすというようなイメージがあるという意見が出ました。

しかし澤田さんからアドラー心理学は、

・自立を全て一人でできることと考えるのではなく、自分のできることをして人と助け合って暮らすことをだと考えている。
・アドラーはいろいろな価値観を持った人々の中で生きた人であり、そのような状態でもなんとか折り合いを見つけて暮らしていこうとした。そのために自分の意見を言葉で伝え、相手の意見も聴いて、少しでも協力しあって暮らすことを目指した。

というお話しがあり、
改めて自分の暮らしを振り返ってみると、毎日、料理をし、掃除をし、子どもの面倒を見、仕事にも行き、私は自分のできることをして家族を助けて暮らしている、家族も私を助けてくれていると思う、そういう暮らしの中でどうしたら仲良く暮らせるかを工夫することが必要だと思う、というような意見が出、自立や社会との調和について実現可能なイメージでとらえ直すことができたように思いました。

3.親が困っている、いやだなと思っている事例をもとに、どうすれば子どもを勇気づけて暮らせるかを話し合いました。

ここでは次のような勇気づけのポイントを教えていただきました。
・そのような行動をとる子どもの考え、感情、意思は子どもに聴いてみないとわからない。それを一番知っているのは子ども自身、だから心穏やかな時に子どもに話を聴いてみよう。大人はいつでも子どもの相談に乗りたい。勇気づけの第1歩は子どもの話を聴くこと。
・怒っているときは勇気づけのチャンスではない。そのようなときは一旦、クールダウン。子育ての心理面の目標を思い出すのも一手。
・親が不安に思ったり、やめて欲しいと思っている行動でも、子どもは今、自分が持っている能力を精一杯、使って対応していると尊敬し信頼しよう。その視点で子どもの行動を見、きちんと子どもの話を聴くと子どもの能力が見えてくる。
・勇気づけはいつでもできる。子どもがとりたてていいことをしていないときでもできることが勇気づけの強み。

このような視点で子どもの行動をとらえ直すと、子どもに怒って言って聞かせることは多々あっても、ゆっくりと穏やかに子どもの話を聴くということはあまりしたことがない、今度は子どもの話をしっかり聴いてみようと思うとか、だめな行動だと思っていたけれど、子どもなりに考えて今の行動をしている、能力があるなあと改めて気づけたという意見が聞かれました。

ワーク後のみなさんの表情から、家に帰ってやってみよう、やってみたいという意気込みのような熱気を感じました。それはワークが参加者一人ひとりの能力や子どもへの愛に改めて強く気づかせてもらえるものだったことと同時に、実現可能な方法を提案してくださったおかげだと思います。

たくさんのことを学ばせていただきました。
澤田裕子さん、みなさま、本当にありがとうございました。


【田中 路子 2012年4月25日】