村上 淑さんからのメール

東日本大震後、早5週間が経過しましたが、まだ余震が続き原発の先行きも不安な状態が続いています。
仙台に住んでいらっしゃる村上 淑さんに応援メールを送ったところ、とても心温まる返信をいただきました。

淑さんがアドラーネットへの転載を快諾してくださったのでメールの一部をみなさんにもご紹介したいと思います。

************************************************************************

私の住んでいる所は、海から15kmの位置にあります。 
我が家から3km東にある名取市閖上は津波で壊滅しました。 
3km東にある東北自動車道東部道路は土を盛って作ってあったために堤防の役目を果たしてくれて、私達は被災を免れました。 
自宅の近くに店があるので、閖上に住んでいるお客様も沢山いらっしゃるのですが、怖くて電話をかけることもできません。

今日、25年来のお客様が息子さんと来てくださいました。
彼女は津波にあい、今も家族で避難所である体育館で暮らしているそうです。
ずっと気になっていたので、もう涙涙で・・・・
彼女は『家族と仕事があるから乗り越えられる』と言っていました。
私のほうが勇気を貰いました。

地震のときは仕事をしていたので、とても冷静でした。
パーマの方が二人いらして、パーマ薬液が付いていたので、
何とか最後まで仕上げなくては!と思い、揺れている間は玄関と裏口の戸を開け、
いつでも避難できるようにしながら周りを観察し、揺れが収まると髪をしていました。
私の担当していた方は17年来の男のお客様で、
「クッシュにはきゃあ~といってしがみついてくるような女の子は一人もいないんだね」
なんて笑いながら仕事をしてました。

慌てても仕方ないので、お客様にリラックスして貰う為にも、私達が冷静に笑っていなくては!と思っていました。
その時は停電にはなりましたが、周りのマンションも無事でしたし、
そんなに大事になるとは思っていませんでした。

その後店の後片付けをしながらワンセグを付けると、リアルタイムで仙台空港に津波が来ている映像を映していました。

震災から5週間が経ち、みんなに疲れが見えてきています。
身も心も疲れているときに私を支えてくれるのは、アドラー心理学の思想もさることながら、パセージやASMI,SWで出会った方々と共有した時の思い出とその時の感覚です。

自分の内側を見つめ、その感覚を思い出し、リセットしてから仕事をしています。
私に出来ることは本当に小さい事ですが、笑顔でお一人お一人丁寧に向かい合ってお話を聴かせて貰っています。

これからが、正念場だと思います。
どんな時もアドレリアンとして考え行動できる様でありたいと思っています。
日々修行です。

魔女修行の仲間として、見守っていてください。

昨日仙台は桜が満開でした。
どんな時も、季節はちゃんと廻ってくるんですね・・・
私の好きな言葉に
「明けない夜はない、止まない雨はない、日はまた昇る」
というのがあります。

今日もガムバリます。

************************************************************************

どんなに大変なときも、アドレリアンとして『今、私が人々のためにできること』をしていらっしゃる淑さんに感動し胸が熱くなりました。

福岡では先週の土曜日と日曜日に野田先生の講演会とオープンカウンセリングがありました。
アドラー心理学の教えの深さにあらためて感動しました。

永続可能な未来のために、アドラー心理学を実践し伝えていくことの大切さをひしひしと感じています。
この震災で学んだことを決して忘れてはいけないと思いました。

東日本の皆さんが心安らかに暮らせる日が一日も早く訪れますように、心からお祈り申し上げます。


【竹内 裕美 2011年4月20日】