2011年6月アーカイブ

がんばれ店長

次女は4月から、店長になりました。20名ほどのお料理の先生たちを束ねる係です。若手に何事も体験させてみようという会社の方針らしいです。むかしから「仕切り力」はある彼女ですが、その「仕切り力」を、店長としてお店のためにどう使ってよいかわからず、苦労しているようです。20名いる先生たちの中には、彼女よりもうんと先輩のベテランの先生方もおられるとか。

これまでは、彼女の受け持ちの生徒さん達にとって、楽しくてタメになる授業の工夫が、彼女の努力の大きな部分を占めていたそうです。が、こんどは、スタジオ(お店)全体を、楽しくて質の良い授業に向かって、20名の先生たちが働きやすく、協力しあえる職場作り、そして企業ですからお店全体の利益を上げるための努力が必要になるようです。とくに、店長研修もなく、いきなりあれもこれも、やらなければいけないことがたくさんでタイヘンだとのこと。

10日ほど前に電話で、わたしにも意見を聞かれたので(めったにないことです)、「どういう店長が素敵だとおもう?」と聴いてみると、前の店長さんが素敵だったとのこと。「彼女はどんな店長さんだったの?」と聴くと、「それぞれの先生のいいところを言葉にして伝えていた。先生たちが競争するのではなく協力できるようにしていた。お店のために協力してほしいことを、先生一人ひとりの状態に合わせて、それぞれに具体的な言葉でお願いしていたし、実際、協力してもらえていた。職場が、その前の店長の時よりも、雰囲気がとってもよくなった。」などと話してくれました。「ああ、もう具体的なイメージがあるんじゃない。モデルがいてよかったじゃない。」と言うと、「そうだった。」と彼女。

これからは、先生方が「わたしは能力がある」「職場の人々は仲間だ」と感じていただけるように、つまり、仕事に誇りと責任をもって、生徒さんや職場の仲間たちに貢献できる方向に、先生方を尊敬し信頼し感謝しながら、勇気づけるのが、娘のお仕事なのでありましょう。こういうとき、アドラーの理論と思想と技術にもどって考えると、とてもシンプルで整理しやすく、とても助けられます。

前の店長さんは娘にとってよいモデルのようです。「前の店長さんのやり方の良い所を取り入れて、ぶれずにやると、きっとうまくいくと思う。利益は後からかならずついてくると母は思う。」と言っておきました。わたしの意見を採用するかしないかは、娘の課題ですし、いろいろな人の意見を取り入れてやってみればいいと思います。たとえ失敗しても、失敗から学ぶことはたくさんあるでしょうし・・・。こうやって、苦労しながら、成長していくんだなあとおもいます。

一昨日の夜11時ごろ、とつぜん彼女がうちに帰ってきました。「つかれた~」と言います。おいしいゴハンつくって、彼女がホッとできる場を作るのが、今のわたしの仕事だとおもい、仕事の話は彼女が話すまで黙っていようと決めていました(心配だったけど、お口はチャック)。

彼女は、仕事の話はしませんでした。ありあわせで作ったゴハン(すき焼き風煮物、トマトのサラダ)をおいしいと言ってくれ、わたしも家族の近況とか、軽い話題を選んで話をしました。食事がおわると、居間に積んであった長女おすすめの漫画「JIN-仁ー」を数冊読み、お風呂にはいり就寝、翌朝7時すぎに出勤していきました。・・・・羽を休めることができたかな。・・・母は、健闘を祈るのみです。


【M.S.(千葉) 2011年5月5日】