子どもを勇気づけるワーク

外来小児科学会の中で、一つのワークショップを担当した。「アドラー心理学ワークショップ『子どもを勇気づける』」昨年に続く第2回。

参加者は36名。昨年と同様に新潟、徳島のアドラー仲間と準備した。当日は、関東地方のアドラー仲間にも手伝ってもらう。

 

IMG_0245.JPG内容は、まず、アドラー心理学の理論と思想をざっくり30分で講義する。アイスブレークに、病児保育研究大会で仕入れた二人あやとりの技を入れる。その後、アドラー心理学を体感してもらうワーク。私は、このワークの準備を担当した。

さいわい、春に、この道の第1人者野田俊作氏が最近開発した新しい技法を学ぶ機会があり、今回のワークにさっそく取り入れることができた。


グループを4つに分け、一人の人の抱えているちょっと困った問題を出してもらう。それをグループの中で解決していく。それぞれのグループには、徳島、新潟、そして関東で活躍しているパセージ(アドラー心理学親子関係プログラム)のリーダーさんたちに2名ずつはいってもらった。ちょっと贅沢なワークだ。


エピソードを聞き、ロールプレイをし、親と子の感情、考え、意図を明らかにし、目標を一致させ、それに向かう代替案を探し出し、もう一度ロールプレイをする。アドラー心理学の地域の学習グループではおなじみの解決法だ。そこに、新しい技法で、ちょっと味付けする。限られた時間の中で、最後までグループを回すにはちょっと力技が必要となる。目標は、問題解決そのものではなく、解決に至るプロセスの体験だ。

アドラー心理学では、何を大切にしているのか?人を尊敬し、信頼するとはどういうことなのか?協力するために踏むための手順はどんなものなのか?アドラー心理学が考える解決像(共同体感覚の育成)とはどんなことなのか?これらを言葉ではなく、その場で体感してもらうことだ。

なかなかに目標は高い。しかし、その目標はかなり実現できたと思う。各グループに入ったリーダーたちの力量の高さのたまものだ。本当にいい仲間たちだ。 

 

IMG_0247.JPG参加者の感想が22枚集まった。どの感想も肯定的な内容だった。雰囲気がとても良かった、会に入ってもっと学びたい。子どもとの対応を考えるヒントをもらった、来年も参加したい・・・と感想が寄せられた。

アドラー心理学は、シンプルだが奥が深い。短い時間に詰め込んだので、不消化の方もいたかもしれない。ちょっと難しい、でもおもしろそう、もっと学んでみたいと思ってもらえたならうれしい。全国に、ともにアドラーを学ぶ仲間が増えてくれることを願う。

【高柳 滋治 2012年8月26日】