Re: 特殊講義と演習「よい人間関係」

野田先生、京都で楽しい学びの時間をありがとうございました。

とても興味深かったのは、今回の講義で、よい人間関係を築いていくために、物語と重要人物とペルソナという概念が使われていたことです。そして、現在の問題が幸福な物語にかわれば、過去の不幸な物語も幸福な物語に変わり、そこに組み込まれているライフスタイルも変化するということを演習で実体験しました。

私が演習で出させていただいたエピソードは、子どもと私と3人で夕食を食べているときに、子どもたちがクイズの出し合いから、口げんかに発展し、長男が怒りをこめて弟に激しく「しね~」などど言い始めて、私が「楽しくご飯食べたいから、向こうでケンカしてくれへん?」と言いました。でもケンカはおさまらず、私が「うるさいから、向こう行くわ」と言って別の部屋行ったというものです。

お話を聴いてもらって、仮想的目標は「みんなで楽しい話をしながらご飯を食べたい」となりました。
また私的感覚は絞りきれなかったのですが、楽しい、穏やか、仲良くなどが候補に出ました。

その段階で物語が浮かんだので、聴いてもらったのが、私の6歳のお誕生日に両親が食卓で言い合いを始めて、あげくの果てにご馳走に水がかかり、私は悲しみの中でひっそりご飯を済ませて、自分の部屋へ行ったというものです。ご馳走が並んで、ドレスを着てウキウキしていたのに、最後は悲しくてがっかりしたという不幸な物語です。

なので、大人になった今も子どもの兄弟げんかや夫と息子のプロレスごっこでも、近くにいればなんだかザワザワ不安な陰性感情がわいてきて、不幸な物語の続きを生きていました。

グループでたくさん質問してもらい、幸福な物語へどうすれば変わるか考えました。

まず、仮想的目標を協力的な目標に変えると習いました。「みんなで楽しい話をしながらご飯を食べたい」は協力的目標だという意見にまとまりました。そこで、課題解決のためのヒントを参考にしながら、対処行動を考えました。今の対処行動では目標を達成できていません。そこで、協力的目標だからそのまま伝えるなどいろいろみなさんが提案してくださいました。
そして、気づいたのは、今言い合いをしているのは、両親ではないし、私も6才ではありません。いい年に成長したし、アドラー心理学を学んでいる母親になりました。なので、子どもたちと食事中のマナーについて話し合うこともできるし、私が楽しい話題を提供してみんなで話をすることもできます。重要人物を親と同一視していましたが、違うと思い出しました。また、グループで、子どもたちは、私にとって言い争いに見えていることも楽しんでいるんじゃないの?と意見がでました。そうか、子どもにとっての楽しいと私の思う楽しいは違うかもしれない!とも気づきました。

両親は夫婦喧嘩もたくさんしていましたが、銀婚式も何年か前に過ぎた今まで離婚の話も出ず、二人で旅行にいき、食事にでかけ、80近くになった今も二人で協力して元気に暮らしてくれています。親のコミュニケーションの方法がうまくなかったのであって、アドラー心理学なども学ぶ機会がなかったのですから、仕方のないことだったのでしょう。

あら、不思議、現在の物語が子どもと楽しい食卓について話し合うチャンス!という幸福なものになれば、過去の不幸な物語も南方出身の熱い夫婦の熱いコミュニケーションの物語に変わりました。

協力的目標をみつけて対処行動を変えれば、自分の物語も変わり相手の物語も変わり、その人との関係が幸福な物語として動くと習いました。子どもたちにも(夫にも!)たくさんの幸福な物語を紡いでもらえるよう、協力的目標を探して対処行動を変える練習をしていきたいと思いました。

2日間、一緒に分析してくださったグループのみなさまもありがとうございました。


【三木 花子 2014年2月26日】