リーダー養成講座2020 2回目


 初日、講座の会場へ向かう新幹線で、わたしは憂鬱でした。試験でうまくできるかどうか不安だったからです。乗り換えの京都駅を通り越して、大阪か高知まで行ってしまいたいと思いました。しかたなく京都駅で降り、大津駅から歩いていきました。会場の旧大津公会堂は昭和9年築、わたしの大好きな、レトロモダンな近代西洋建築でした。ここで気分が少し上がりました。

 講座が始まると、どんどん気分が前向きになっていきました。初めてお目にかかる方を含め皆さんとすぐにうちとけることができ、互いに学び合い、勇気づけ合うグループとして進んでいきました。気がつけば3日間はあっという間にすぎ、合格をいただいていました。

 始まるまでわたしはこの講座は試験の合否判定の場だと思っていましたが、ちがいました。「養成講座」の名のとおり、「育てていただいた」のです。そして、メンバーが交代でリーダー役を務めるなかで、一人一人がユニークな存在でストレンクスがあることを、実感として味わうことができました。

 ふと、ICASSIに参加したときのことを思い出しました。ICASSIでは、世界各国から見た目もバックグラウンドも持ち味も本当に様々な人々が集まります。その多様なだれもが素のまま、ありのままでいていいのであって、優劣をつける場ではありませんでした。ICASSIで感じたのと同じ、互いにリスペクトし信頼し合うあたたかい雰囲気を、旧大津公会堂で感じました。自分たちは、アドラーやドライカース以来の、世界共通の大きな流れの中にいるのだと思いました。

 指導してくださった優子先生は「ダメ出し」をゼッタイになさらず、常に適切な側面に注目するようわたしたちを促し、勇気づけてくださいました。そして、アドバイスは「こんな方法もあるかもしれませんね」と提案する形でやさしく伝えてくださいました。もうそれだけで、わたしは「なるほど~!!」と深く学ぶことができました。ICASSIでのイヴォンヌ・シューラー先生や、カレン・ジョン先生を思い出しました。メンバー自身の力を信じ、グループの力を信じ、そして何よりアドラー心理学を信じていらっしゃる姿勢でした。

 すべての時間寄り添ってくださったNさんも、わたしたちグループの背中をそっと押してくださいました。さらに、ひたすらずっと微笑みながら臨席してくださったYさん、お忙しい中かけつけてくださったIさん、大切なメッセージを天の声のように聞かせてくださった野田先生にも支えていただきました。ありがとうございました。

 そもそも旧大津公会堂に行くことができたのは、わたしにパセージを教えてくださったOさんを始め、Sさん、Mさん、Tさんなど先輩リーダーの方々や自助グループの皆さんのおかげです。ありがとうございました。
 そして、同期生の皆さん!ホントに楽しかったです!!ここからスタート、いやまだ仮免ですからスタート地点以前ですよね!これからも共に学び続けたいです。

 すべての皆様、今後もどうぞよろしくお願いいたします。(^人^)


【下西陽子 2020年2月】
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