「アドラーのおかげです」

1月26日、年明け初めての松阪のフォローアップの会へ行ってきました。 
2018年に始まったパセージで、それなりに時間が経ちましたが、
メンバーの大半は子育て中からのママ友ということもあり、みなさん会うことを楽しみにしていて、
リーダー不在の時はテキストを開かずに終わるということもあるようです。
おしゃべりは活発ですが、事例をというと俄然静かになることもあります。

この日は、2名の参加で私を含め3人でしたので、近況を詳しく話してくださいました。 
ひとりの方は、お姉ちゃんのOA入試で短大への進学が決まった、というお母さん。 
ご両親とも進学でなく就職をお願いしたそうですが、
「学費は自分でなんとかするから」と進学を希望し選んだ短大だそうです。
2年ではなく3年コースを選び、午前は授業、午後はアルバイトできるよう授業が入っていないとのこと。
そして就職は地元に戻って保母さんになると返さなくても良いという奨学金を申し込んだとか。
寮も安く、ご両親もこれなら、ということで進学を応援したとのこと。
合格し家を出ることが決まってから「お母さん、私の部屋はこのままにしておいてね」 と念を押したそうです。
「地元に戻ってきて地元で働く、ともう決めているんだろうね」とお母さんから笑みもこぼれます。

そんな話を伺って「頼もしいね」というと、「アドラーのおかげ^^」とおっしゃいました。 
そのセリフをきいて、正直びっくりしました。 

この方はまだそのお姉ちゃんが保育園の頃、一度パセージを受講されていた方でした。
その後は一度もフォローアップに来ることもなく、一昨年のパセージのときに10年以上ぶりにお会いしたのでした。 
パセージのテキストも一度も開くこともなく過ごしてしまった、と。 
「親の課題、子どもの課題」「目標の一致」などパセージ用語も忘却のカナタ、でした。

なのでどういうところがパセージのおかげだと感じているのかな、と思ったのです。 

話を聴いていくと、どうやら
毒ガスを止めた(止めようとこころがけている)、子どもを信頼することにあるのだな、と思いました。 
例えば、中学に入って部活が3ヶ月で3つも変わったときもぐっと我慢、余計なことを言わずおまかせした、とのこと。
ちょっと入った部活でユニフォームを買ったりもしたとのことで、
ひとこと言いたくなるのを、アドラーを思い出してぐっと我慢したこともあったそうです。
結局、吹奏楽部にはいり高校進学も吹奏楽が活発なところを選んだとのこと。 

この日、何度このお母さんから「アドラーのおかげ」というセリフを聞いたことでしょう。 

私から見るとパセージから離れていたようにみえても、子育てをしていく中でその方は、
お口をチャックして余計なことは言わないことを(アドラー、アドラー)と思い出しながら、
がんばって実践されていたのだなあ。 
一点突破、お見事です。 

学ばせていただきました。 


【河野直子(三重) 2019年1月】