物語を生きる


今日もプチパセージの内容の自助グループでした。
昨日と同じように、
自助グループに来てくださってる方が初めてのお友だちを連れて来てくださいました。
こうやって少しずつ、パセージの輪が広がっていくことがとても嬉しいです。
一回一回の会が、新鮮な驚きに満ちていて、
私も一回一回、新しいことを学ばせていただいているなあと感じます。

コロナで自助グループもパセージもカウンセリングも開けない間、
人は、お互いに向き合って共に生きていく生き物なのだと実感しました。
オンラインでいくら顔を見られるようになっても、
ディスカッションができるようになっても、
それはやっぱり生身の人どうしのおつき合いではありません。
オンラインで私が仲間とやりとりするときに
心が通じ合っているように思えるのは、
これまでに同じ場所で同じ時間を共にしてきた、その体験があるからであって、
オンラインによって新しく関係を作っていくことは無理だろうと、私は思います。
もしもこれからもずっとオンラインでなければ仲間といられないのであれば、
絶望してしまいそうです。
また会えると信じていられるから、
そのことがどれほど私に希望をもたらしているかを知りました。

そのことを思うと、私が今実際にお会いできる人との縁を
本当にありがたいものだと思い、大切にしたいと思います。
自助グループに来られた方たちが、様々な言葉で
ここは私の居場所だと思えたということを伝えてくださった。
それはそのまま、私に、生きる意味を与えてくれているのです。

生きていくことは、小さな場面の連なり、小さな言葉の連なりなのだと感じます。
レポートではなく、実際に起こったエピソードから
あらゆることを考えていくというアドラー心理学の基本は、
この瞬間をどう生きるか、ということなのかな、と思います。
私たちは考えの中には生きていないから。
私たちは何かを言い、何かを行動して生きているから。

私の一番のお気に入りの陰性感情は、実は「不安」なんだろうなと思います。
まだ起こっていない、私の頭の中に描く未来の姿を怖がって、
何かをしたり、しないでいることを選ぶことが多かったけれど、
私はそんなに正しく未来を描くことなんてできない。
未来は、今の瞬間を美しい物語にしていく、その努力が作っていくものです。

もう私は、自分のレポートに騙されたくないな、と思います。
私が今まで人々と作ってきたエピソードの連なりが、私の人生だと思えます。
だからこれからも、私はエピソードを紡いでいくのです。人々と共に。


松村美穂【2020年6月】
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